LPや営業資料を作ると、デザインや文章に時間をかけすぎて検証が遅れがちです。制作物を「売るため」だけでなく「確かめるため」に設計することで、学びのスピードが上がります。
この記事でわかること
- 検証目的の制作物設計: 誰に何を聞きたいかを先に決める方法
- 必要最低限の要素: 検証に必要な最低限の構成要素
- 短期間で回すワークフロー: 作って→回して→学んで→更新するサイクル
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| トピック | LP・資料の検証目的設計 |
| カテゴリ | マーケティングガイド |
| 難易度 | 初級〜中級(マーケ・営業向け) |
なぜ制作に時間をかけすぎてしまうのか
よくある失敗パターン
| パターン | 状況 |
|---|---|
| デザインへのこだわり | 何度も修正してリリースが遅れる |
| 文章の推敲 | コピーライティングに時間をかけすぎ |
| 完璧主義 | 「まだ出せない」と公開を先延ばし |
| 目的の曖昧さ | 何を確かめたいか不明確なまま制作 |
制作物の本来の目的
LPや営業資料は「売るため」だけのものではありません。特に新規事業の初期段階では、「確かめるため」の道具として活用すべきです。
検証目的の設計方法
まず「何を確かめたいか」を決める
制作に入る前に、以下の問いに答えます。
| 検証したいこと | 具体的な問い |
|---|---|
| 課題の強さ | この課題は本当に痛いか |
| 比較対象 | 何と比較されているか |
| 価格反応 | この価格で払う意思があるか |
| 導入条件 | 何があれば導入を決められるか |
| チャネル | どの経路から来るか |
検証仮説を明文化する
例えば、以下のように明文化します。
## LP検証仮説シート
### 検証したい仮説
「中小企業の経理担当者は、月末の請求書処理に1週間以上かけており、
これを半分にできるサービスに月額5万円を払う意思がある」
### 確認したい指標
- LP訪問者のうち、資料請求する割合: 目標5%以上
- 資料請求者のうち、商談に進む割合: 目標30%以上
- 価格ページでの離脱率: 20%以下
### 判断基準
- 上記を満たす: 本格的なマーケティング投資に進む
- 満たさない: 訴求内容・価格・ターゲットを見直す
必要最低限のLP構成
検証に必要な要素だけを揃える
完璧なLPを作る必要はありません。検証に必要な要素だけを揃えます。
| 要素 | 目的 | 検証段階での要否 |
|---|---|---|
| ファーストビュー | 課題認識の確認 | 必須 |
| 課題提起 | 痛みの共感 | 必須 |
| 解決策 | サービスの概要 | 必須 |
| 価格 | 価格反応の確認 | 必須 |
| CTA | アクションの誘導 | 必須 |
| 詳細機能説明 | 機能理解 | 後でOK |
| 事例 | 信頼性向上 | なければ省略可 |
| FAQ | 疑問解消 | 後でOK |
ファーストビューに集中する
スタート期には、ファーストビューだけに絞ってテストするのが得策です。
ファーストビューで確認すべきこと:
- この課題は刺さるか
- この表現で伝わるか
- この価格で反応があるか
ABテストの進め方
テストの優先順位
| 優先度 | テスト対象 | 理由 |
|---|---|---|
| 高 | キャッチコピー | 最も反応に影響 |
| 高 | 価格表示 | 購買意思に直結 |
| 中 | CTAボタン | コンバージョンに影響 |
| 中 | ファーストビュー画像 | 第一印象を左右 |
| 低 | 詳細説明文 | 反応への影響は限定的 |
テストの進め方
LPの最適化は以下の手順で進めます。
- 現状と課題を明らかにする: アクセス解析、CVの現状を把握
- 改善の仮説を立てる: 優先順位の高い改善策を1つ選び、仮説を立てる
- ABテストを実施する: 効果を測定
- 有意な結果をもとに改善する: 狙い通りでなければ仮説からやり直し
広告との連携
広告とLPは一体で考える
広告とLPは、まるでリレーのバトンのような関係です。広告が関心を引き、LPが信頼と行動を生み出す。この2つの連携がスムーズに回り始めたとき、コンバージョン率(CVR)は大きく伸びていきます。
広告とLPを別々に作らない
広告とLPを別々に作らないという視点を持つだけで、広告予算のもったいない消費を防げます。
| 連携ポイント | 具体例 |
|---|---|
| メッセージの一貫性 | 広告の訴求がLPでも続く |
| ターゲットの一致 | 広告で集めた人にLPが刺さる |
| オファーの一致 | 広告で約束したことがLPで得られる |
営業資料の検証目的設計
LPと同じ考え方を適用する
営業資料も「売るため」だけでなく「確かめるため」に使えます。
| 検証したいこと | 資料での確認方法 |
|---|---|
| 課題の優先度 | どのスライドで質問が出るか |
| 価格感 | 価格説明時の反応 |
| 比較対象 | 「他と何が違うか」の質問 |
| 導入障壁 | 「社内で通せるか」の懸念 |
商談後の振り返り
商談のたびに、以下を記録します。
## 商談振り返りシート
### 基本情報
- 顧客名:
- 日時:
- 商談フェーズ:
### 資料への反応
- 興味を示したスライド:
- 質問が出たスライド:
- 反応が薄かったスライド:
### 学び
- 刺さった訴求:
- 改善すべき点:
- 次回反映したいこと:
短期間で回すワークフロー
1週間サイクルの例
| 曜日 | タスク |
|---|---|
| 月 | 先週の数値レビュー、仮説更新 |
| 火〜水 | 改善案の制作 |
| 木 | 新バージョンのリリース |
| 金〜日 | データ収集 |
「完璧」より「速さ」を優先する
LPは「作って終わり」ではなく、公開はスタートラインです。データに基づき、仮説と検証(A/Bテスト)を繰り返すことで、LPは真に成果の出るツールへと進化します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 検証用のLPはどのくらいの品質が必要ですか?
「見て意味がわかる」レベルで十分です。完璧なデザインより、反応が測れる状態を優先してください。反応が良ければ後から磨けばよいのです。
Q2. 広告費はどのくらい必要ですか?
検証目的であれば、月10〜30万円程度から始められます。統計的に有意なデータを得るには、各パターンで最低50〜100件程度のコンバージョン(またはクリック)が目安です。
Q3. ノーコードツールでLPを作っても大丈夫ですか?
検証段階では問題ありません。スピードを優先し、Notion、Carrd、STUDIOなどで素早く作ってテストしてください。反応が良ければ本格的なLPに移行します。
Q4. 資料やLPの改善が「改悪」になることはありませんか?
あります。だからこそABテストが重要です。変更前と変更後を同時に走らせ、統計的に有意な差が出てから本格適用します。
Q5. 検証と本番のLPは分けるべきですか?
初期は同じでOKです。検証で得た学びをそのまま本番に反映します。事業が拡大してきたら、検証用のランディングページを別に用意することも検討します。
まとめ
主要ポイント
- 制作前に「何を確かめたいか」を決める: 検証仮説を明文化してから制作に入る
- 必要最低限の要素に絞る: ファーストビュー・課題・解決策・価格・CTAがあれば検証できる
- 短期間で回して学ぶ: 1週間サイクルでデータを見て改善を続ける
次のステップ
- 次に作るLP・資料で「何を確かめたいか」を書き出す
- 現在のLPのファーストビューだけを変えたABテストを設計する
- 商談後の振り返りシートを作成し、運用を始める
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参考リソース
この記事を書いた人
yap編集室
株式会社yapの新規事業開発コンサルタントたちによる編集チームです。新規事業の仮説検証・PMF設計、営業推進に関する知見を、さまざまなプロジェクト支援の経験をもとに発信しています。